「君たちが変われないのはしかたがない。
しかし、せめて変わろうとしているスタッフの邪魔だけはしないでくれ」
『トヨタのできる人の仕事ぶり』は17年間トヨタで役員秘書をやっていたという著者が、「できる人」には共通点がある事に気づき、その共通する能力を10個にまとめた本です。
ビジネス書と自己啓発書の中間ぐらいの本かもしれません。
でも冒頭に引用した一文にはグッと来ますね。
僕は読書ノートに気になった点や、気に入った部分を書き抜いています。
なのでこの手の本の場合にはひたすら引用だらけになります。
感想云々よりは下記に引用抜粋を記したいと思います。
「疑問に思ったら現場に行け。答えはすべて現場にある」
「工場に出かけて、そのときに見るものや感じるもの、音であったり、従業員の表情など、五感で受け取ることがすべて大切な情報なのです」
「現場のスタッフが働きやすい環境をつくってやらなければいかんぞ」
「開発、そして工場がどれくらいのスピードで稼働しているかを、十分肌感覚で把握していた」
「仕事のできる人は、意識的にたくさんの電話をとっていたように思います」
「言われた言葉をそのまま受け止めるだけでは不十分です。仕事はうわべだけで解釈し、対応しているだけではだめなのです」
「発言の真意をくみ取れる人は、「あの言葉は、本当はこういう意味じゃないか」と常に推し量って聴いています」
「たとえば、会議前には、会議後の予定を確認するのは当然ですが、あえて確認することで、会議を長引かせてはいけないという両者の認識となります」
「整理がうまい人は結局、たくさんの仕事を同時にこなすことができます。デスクの上を見れば、仕事ができる人かどうかわかる」
「褒める時は正々堂々と、叱るときはこっそりと」
「スタッフを悪しざまに言うことは、上司である自分の評価を下げること」
「指導を厳しくするかどうかよりも、その後のフォローをきちんとすることのほうが大切だと思います」
「最新の機械を導入した場合も、勘のいい人や機械に慣れている人は「読まなくても操作できる」と言って、いきなり使いはじめます。しかし一見、ちゃんと使っているようでいて、「便利な機能を知らないまま」というケースが意外に多い」
「意見を述べるときに、「たとえば、新聞にこういう事故の記事が掲載されていましたが……」と具体例を提示できれば、より説得力が増し、意見が明確に伝わる」
「できる日とはまず、「この言葉は大丈夫だろうか」と立ち止まり、意味、定義の注釈を加えて確認しながら話を進めます。相手に意味が正確に伝わっているか配慮する感性も兼ね備えているのだと思います」
「経営者は大胆に変革したいと考えている。現場のスタッフも危機感を感じている。一番、変わるのを恐れているのが中間管理職だ」
「できる人は、異動を「新しいスタートを切る好機」と受け止め、自分自身の幅を広げることに活用している」
「かつて一緒に働いていた仲間をあしざまに言うのは、聞いているほうも気分のいいものではありません」
「それよりも「前の職場ではこんなにお世話になった」とか、「僕がいまあるのは以前の上司や同僚のお陰だ」と言っていたほうが確実に評価されるでしょう」
「やはり、どこでもがんばれるという人材が強いのです。できる人は、異動先でベストを尽くし、実績をあげようと努力するので、確実に出世していた」
改めて書くと多いですね。
深みには欠けますが、ふんふんと頷きながら読める良い本でした。