「ワハハハ……えらい、きみはさすが明智小五郎だよ。よくそこまで考えたねえ。その骨折りにめんじて白状はくじょうしてやろう。いかにもおれは、きみのこわがっている二十面相だよ。」
シリーズ二作目にして遂に『少年探偵団』がタイトルに!
今読んでもちょっと興奮してしまうのですから、当時の少年たちの興奮は想像を絶するものがあった事でしょう。
以前ご紹介した『怪人二十面相』に続き、明智小五郎や少年探偵団が活躍する江戸川乱歩の大人気シリーズ二作目です。
冒頭から黒い魔物が登場し、次々と起こる少女誘拐事件、狙われる呪いの宝石、謎のインド人の登場と息もつかせず巻き起こる事件の末、遂に少年探偵団の活躍が始まります!
その昔大人気を巻き起こしたBDバッジなるものも登場。
このバッジが付録になった雑誌は飛ぶように売れたらしいですね。
最終的に明智小五郎と怪人二十面相の争いになるわけですが……後は読んでみてのお楽しみ。
衝撃的なラストも、ちょっとお約束感もあって思わずほくそ笑んでしまいます。
『パノラマ島奇譚』もそうですが、今の漫画やアニメに繋がるものを感じます。江戸川乱歩が後の漫画家に与えた影響って、大きかったのかもしれませんね。
唯一欠点を上げるとすれば、子ども向けの「です・ます」調の文体が読みにくい事ぐらいでしょうか。
そう長い作品でもありませんので、ちょっとした息抜きにもおすすめです。