おすすめ読書・書評・感想・ブックレビューブログ

年間100冊前後の読書を楽しんでいます。推理小説・恋愛小説・歴史小説・ビジネス書・ラノベなんでもあり。

『陽だまりの彼女』越谷オサム

 

「返す返すも、彼女の十年間に寄り添えなかったことが悔やまれる」

 

陽だまりの彼女「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」を謳い文句に販売されたそうです。

 

なかなか読みやすくて、キュンキュンしちゃいますよ。

 

男子は。

 

……違うか。

 

ただし、男子に限る!!!

 

って感じか。

 

毎度のごとくざっくり説明すると、かなりいい感じに変貌を遂げた幼馴染と十年ぶりに再会し、結ばれるというお話です。しかも彼女、そもそもの再会は仕事絡みだったのですが、仕事の上でもかなり出来る女として主人公をフォローしてくれたり励ましてくれたりする。

そんな理想的な幼馴染と当然のごとく恋人同士になり、ちょっとしつこいぐらいに夜の営み的な描写も入れまくり、やがて結婚もするのだけど、彼女には実は大きな秘密があって……

 

秘密というのはいわゆる……

 

↓↓↓ ※ 以下ネタバレ ※ ↓↓↓

 

鶴の恩返しならぬ猫の恩返し

 

というやつです。

 

彼女は昔主人公が飼っていた猫の生まれ変わりで、もうとにかく彼を探しまくって仕事上で絡めるように就職先まで選びに選んだという徹底ぶり。

主人公と再会し、結ばれる為だけに生まれ変わって来たのです。

 

……猫が

 

なんかちょっとゾッとしました。

飼い猫が生まれ変わるにしても、再び飼ってもらうとか、ドラえもん的に主人公を守ったりサポートする為の配下のような役割になるのならばわかります。

でもこの猫は、あろうことか恋人の位置を目指したのです。

主人と肉体関係まで結び、結婚して妻のポジションに納まりました。

 

これってただの化け猫じゃないですか?

 

僕も男なので妄想としてはわからなくないんです。

飼っていたペットが生まれ変わったら嬉しいですもんね。仕事とか色々手助けしてくれたりしてくれたら最高です。しかも可愛くて従順で、下の世話までしてくれる。エロゲーやエロ漫画の設定ならありです。

でも、現実に自分の愛した相手が元々飼い猫だったと知ったら、心底縮み上がると思います。

そう冷静に考えてしまうと、どうにも他人のエロい妄想を聞かされているようで嫌悪感が生まれてしまいます。

 

男だからまだしもですが、同じ話を女性が読んだら鳥肌モノじゃないんでしょうか?

 

実際アマゾンではかなり評価が二分されて、否定的なコメントも少なくありません。

せめてエロ設定を抜くだけでもだいぶ気持ちよく読めるようになったと思うんですけどね。

エロが(しかも結構たくさん)入っているせいで、どうにも興ざめしてしまいました。

 

エロまで面倒見てくれる猫の恩返し

前提の上でぜひ男性諸氏は楽しんでみて下さい。

尚、上野樹里松本潤主演で映画化もされています。

興味ある方はこちらもどうぞ。