「おじぃ。あれ、なんかな?」
「あれか。あれは緑人間や」
「ふぅん」
『桜大の不思議の森』は上記のような不思議が日常的に繰り返される黒沼村の日々を描いた本。
黒沼村は神様や不思議がいっぱい、自然いっぱい。
これといって強烈なエピソードがあるわけではないのですが、ほんわかした気分のまま読書を楽しめる良書です。
柳田國男の『遠野物語』や『山の人生』を思わせる人と不思議との共生を感じさせます。
『となりのトトロ』や『平成狸合戦ぽんぽこ』、『千と千尋の神隠し』等のジブリ映画にも似た雰囲気を漂わせています。
非常に好きなテイストで、良い作家を見つけたなぁ~と喜んでいたんですが……
香月日輪さん、亡くなられていたんですね。
せっかくの良い出会いだったと思っていただけに、ただただ残念で仕方ありません。
ましては51歳だなんて。。。言葉がありません。
香月日輪さんといえば『妖怪アパートの優雅な日常』シリーズが大人気でした。
いずれこちらのシリーズにも手を出したいと思います。