別に2代目を嫌う必要はないのです。2代目でござる、2代目は楽でござる、2代目は裕福でござる、それでいいじゃないかと思っています。
久しぶりのビジネス書です。
昨今、巷で話題となっているのが事業承継。
特に中小企業においては跡継ぎがおらず、後継者不足を理由に黒字廃業を選択する企業も増えてきているとあり、重大な社会問題に発展しています。
各地の商工会議所や地銀をはじめ、毎週のように事業承継をテーマにしたセミナーも開催されていますね。
情報を得ようとすればいくらでも手に入る昨今。
さて、著者は2代目に対してどんなアイディアを提供してくれるのか。
楽しみに読んでみました。
著者本人が2代目経営者
著者は大分で税理士事務所を経営している高橋幹。
本人も父の跡を継いだという二代目経営者です。
著者自身が2代目経営者として悩む中で、ひらめいたのが自分と同じ2代目を助ける事。
経営コンサルタントとして2代目経営塾を発足し、セミナーを開催しはじめたのが本書のルーツとなっているようです。
本書の中に掲載されたエピソードも、実際に税理士・コンサルタントとして自分が関わった2代目経営者の取り組みを紹介したものとなってします。
肝心の中身は薄味
業界の常識を破った実例として90分車検を編み出した2代目社長。
価格より品質を掲げて下請けからの脱却を図った2代目社長。
ニュースレターを発行して黒字に転換した2代目社長。
ざっくり挙げると上記のような人々が事業改善に成功した例として挙げられています。
他には2代目がやるべき事として財務を把握して銀行とうまく付き合う事、先代から勤めてきた年上の従業員とも反目せずにうまく付き合い組織をまとめあげる事、など。
マーケティング、財務、組織という3つの観点から2代目社長について語っています。
ただまぁ、正直言ってしまうとそれって2代目関係ないよね?
一つ一つもかなり薄めのエピソードばかりで、どんな事件に悩み、どうやって解決したのかがあっさり書かれているだけなんですよね。
簡単に言うと普通に他の経営指南本でも読んだ方がより勉強になるよね、と。
得るものも少なく、ちょっと時間無駄にしちゃったかなー、という感想に尽きます。
事業再生とかのテーマであれば、僕的には下記の三枝匡さんの本が小説仕立てで面白いと思います。
本書を読もうかどうか迷っている内に当ブログにたどり着いたという方は、こちらにもチャレンジしてみて下さいね。