古典文学
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。 川端康成『雪国』を読みました。 ノーベル文学賞を受賞した偉大なる文豪ですので、今さら改めて説明するような事もないのですが……本作をKindle Unlimitedで見つけ…
我々が空想で描いて見る世界よりも、隠れた現実の方が遥かに物深い 柳田國男『山の人生』です。 柳田國男というと『遠野物語』が断トツで有名ですが、『遠野物語』に似た雰囲気で楽しめるのがこの『山の人生』。 linus.hatenablog.jp 有名な「子殺し」のエピ…
「私の力で柳吉を一人前にしてみせまっさかい、心配しなはんな」 どんなに駄目男でも、どんなに甲斐性なしでも決して離れようとはしないしっかり者の蝶子。 引用のような言葉で柳吉に添え続けようとするのは愛の力か、それとも―― 『夫婦善哉』はそんな凸凹の…