経済小説
しばしば「私は損をしてでもこの仕事はやります」というふうな表現をする人の話を聞くが、損を続けて事業が成り立つわけのものでなく、現在損をしていても、将来その欠損を補って大きく利潤をもたらす目標があってこそ事業が成り立つことは、いまさら私が言…
「その事故で、トラックを運転していたドライバーは両脚切断の大怪我を負った。カーブでタイヤが外れたそうだ。そんなにタイヤってのは外れるものかな、沢田さんよ。お宅のタイヤは空でも飛ぶのか」 現在放送中の『下町ロケット』が好評な池井戸作品から、『…
「お父さんとお母さんはビールで乾杯します。運転はお母さんの役目ですから、一杯だけです」 ……飲酒運転かよ! 思わず突っ込まずにはいられませんが、本作『青年社長』の舞台はワタミが株式公開に至る1996年よりも以前の話。 当時の倫理観の表れとも言えます…
「ただパンのために働くのはよせ。理想の光をかかげてやれ」 第5代国鉄総裁となった石田礼助が国鉄職員に向けていった言葉。 1963年頃の話ですからこれだけでも先進的な考えをしていたとわかります。 『粗にして野だが卑ではない』は三井物産に35年勤めた後…
「なんだ、犬小屋みたいな車を作りやがって!」 ホンダが一番最初に作り上げたF1マシンは本田宗一郎に一喝され、お披露目に集まっていたマスコミすら追い払ってお蔵入りにさせたそうです。 『F1地上の夢』はホンダのF1挑戦"第一期"(1960年代)から"第二期"の…
「何度でも切ってもいい。試食をやめれば、レオーネが死ぬ。」 三回もの胃の手術を繰り返し、それでも探求のための試食をやめない主人公の倉原礼一の台詞。 なんたる生き様! でもこれとよく似た人を僕は知っている。 辻調理師専門学校の創始者である辻静雄…