おすすめ読書・書評・感想・ブックレビューブログ

年間100冊前後の読書を楽しんでいます。推理小説・恋愛小説・歴史小説・ビジネス書・ラノベなんでもあり。

歴史小説

『坂の上の雲』司馬遼太郎

「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高シ」 今年に入ってから沖縄関連の小説を紹介して以来、すっかりブログの更新が途絶えていましたが……実は『坂の上の雲』に挑戦していました。 『竜馬がゆく』や『…

『天と地と』海音寺潮五郎

「小僧! くらえ!」 という呶声は、斬りつけてから出た。 あまりの急なことに、信玄は立ち上がるすきがない。まして刀をぬくひまはない。床几にかけたまま、軍配うちわで受けた。うちわは薄金づくりだが、鋭い切っ先は半ばまで切り裂いた。 「しぶとい!」 …

『無双の花』葉室麟

「立花の義とは、裏切らぬということでございます」 前回の更新からまだ5日しか経っていませんから、ここ数ヶ月の中ではだいぶ早い更新になりました。 ずっと「読書に対するモチベーションが落ち気味」と言い続けてきましたが、ここにきてようやく快方に向か…

『新・平家物語』吉川英治

栄枯盛衰は天地のならい、栄々盛々はあり得ないこと。勝つは負ける日の初め、負けるはやがて勝つ日の初め―― ようやく終わりました。 長らくブログの更新も途絶えていましたが、その原因であった吉川英治『新・平家物語』を読み終える事ができました。 読み始…

『影武者徳川家康』隆慶一郎

「ご進撃が早すぎます。いま半刻、桃配山に……」 「それが出来なくなった」 二郎三郎は、あくまで家康として云った。忠勝の顔色が変った。 「南宮山の毛利が……!」 「毛利ではない。わしだ」 二郎三郎は忠勝に近々と顔を寄せた。 「判らぬか。わしが死んだ」 …

『私本太平記』吉川英治

ええと。。。 ブログを書くこと自体約一月ぶりなので、なんだか戸惑ってしまいます。 かねてより予告していました『私本太平記』をようやく読み終えました。青空文庫だと帖別となっていて全13帖。文庫版では全8巻だったそうです。加えて、同じく青空文庫に公…

『伊達政宗』山岡荘八

人それぞれの持って生れる先天的な、運命的な、根性の中に、棟梁運というのがある。 これだけは後天的なものではないらしい。どこでどう培われてくるのか? 産れ落ちる時にはすでにこれを持つ者と、持たざる者との差がついてしまっている。 これを持つ者は、…

『のぼうの城』和田竜

――のぼう様 とは、「でくのぼう」の略である。それに申し訳程度に「様」を付けたに過ぎない。 安能務『封神演義』を読み、ついでに藤崎竜の漫画版『封神演義』、さらに『Wāqwāq(ワークワーク)』、『かくりよものがたり』とフジリュー作品にのめり込む内に…

『天地明察』冲方丁

もしかすると暦とは、一つに、人々が世の権威の所在を知るすべなのかもしれない。 初めての冲方丁作品です。 『天地明察』。 この作品って、個人的にはとんでもないヒット作という印象があります。 受賞した賞だけでもこの通り。 第31回吉川英治文学新人賞 …

『三国志』吉川英治

「大事を済すには必ず人を以て本となす」 『三国志』全12巻+序。 2月末に読み始め、全て読み終わったのは11月の末。 なかなか長い戦いでした。 とはいえこればかり読んでいたわけではなく、リアルな本を読んでいる傍ら、空き時間にKindleの電子書籍で読んで…