おすすめ読書・書評・感想・ブックレビューブログ

年間100冊前後の読書を楽しんでいます。推理小説・恋愛小説・歴史小説・ビジネス書・ラノベなんでもあり。

直木賞

『ファーストラヴ』島本理生

「正直に言えば、私、嘘つきなんです。自分に都合が悪いことがあると、頭がぼうっとなって、意識が飛んだり、嘘ついたりしてしまうことがあって。だから、そのときもとっさに自分が殺したことを隠そうとしたんだと……」 第159回直木賞受賞作『ファーストラブ…

『容疑者Xの献身』東野圭吾

「最後に石神と会ったとき、彼から数学の問題を出された。N≠NP問題というものだ。自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかどうか確かめるのとは、どちらが簡単か――有名な難問だ」 今更感もあるかもしれませんが、今回読んだのは東野圭吾の…

『下町ロケット』池井戸潤

そうだ。――佃は思った。オレは自分の夢のことは考えたが、社員のことはそのとき考えなかった。 結局、社員が反抗するのは、その結果ではなくプロセスに問題があったからではないのか。 だとすれば、オレはどこかで、手順を間違えたらしい。 第145回(2011年…

『蜜蜂と遠雷』恩田陸

世界はこんなにも音楽で溢れているのに 本作『蜜蜂と遠雷』の主人公の一人、栄伝亜夜の台詞です。実はこの言葉、だいぶ序盤で出てきます。単行本39ページ。栄伝亜夜の登場直後の事です。 読書ノートに書き取るために貼っていた付箋を読後見返して、初めて気…

『海の見える理髪店』荻原浩

青色の絵の具の塗り残しに見える入道雲が屋根の上で両手を広げている。誰かをハグしようとするみたいに。 僕は実は、荻原浩という作家を非常に苦手としています。 とは言っても読んだ事があるのは処女作である『オロロ畑でつかまえて』ぐらい。 かの作品の(…

『4TEEN』石田衣良

「ぼくが怖いのは、変わることだ。みんなが変わってしまって、今日ここにこうして四人でいるときの気もちを、いつか忘れてしまうことなんだ。」 石田衣良といえばテレビドラマ化もされた『池袋ウエストゲートパーク』が有名かもしれません。 こちらは第129回…