おすすめ読書・書評・感想・ブックレビューブログ

年間100冊前後の読書を楽しんでいます。推理小説・恋愛小説・歴史小説・ビジネス書・ラノベなんでもあり。

ホラー

『#拡散忌望』最東対地

わたしと一緒にドロリン、しチョ? 最東対地『#拡散忌望』を読みました。 今回もKindle Unlimitedの中から何か良さげな作品はないかなと探していたところ、たどり着いた作品です。 その題名の通り、どうやらスマートフォン・SNSなどを題材としたホラー小説の…

『天使の囀り』貴志祐介

天使の囀りこそは、我々が待ち焦がれていた福音です。 貴志祐介『天使の囀り』を読みました。 貴志祐介作品を紹介するのは『青の炎』以来になります。 上記記事を一読いただければ一目瞭然ですが、映画化もされたベストセラー『青の炎』に関してはさっぱり僕…

『トンコ』雀野日名子

トンコは店員が投げ捨てた生姜焼き弁当を嗅いだ。プラスチック・カバーの内側で、薄肉となった姉妹豚が寄り添っていた。ポリ容器から転がり出た生姜焼き弁当からは、「M02」の匂いがした。 今回も角川ホラー文庫から雀野日名子『トンコ』のご紹介です。 本書…

『死国』坂東眞砂子

土佐は鬼の住む国、死者の住む国である。このような呼び方が残っているのは、かつて人が死後においても、魂と心に分かれずに何らかの形で、この世に存在していた証拠ではないだろうか。死者も生者も同じように、この世に存在していた時があったのではないだ…

『死のロングウォーク』スティーブン・キング

「死ぬってどんなものか、わかってるつもりだ」ピアソンがだしぬけにいった。「どっちにしろ、今はわかった。死そのものは、まだ理解できてない。だが死ぬことはわかった。歩くのをやめれば、一巻の終わりだ」 翻訳書が当ブログに登場するのは珍しいですね。…

『生き屏風』田辺青蛙

皐月はいつも馬の首の中で眠っている。 そして朝になると、首から這い出て目をこすりながら、あたかも人が布団を直すかのように、血まみれで地面に落ちている馬の首を再び繋ぐ。 いきなりグロ描写から始めてしまいましたが、こちらは実際に本作『生き屏風』…

『夏と花火と私の死体』乙一

「弥生はなにも悪いことなんかしてないんだろ、だから泣くのはやめなよ」 『GOTH』以来の乙一です。 厳密には別名義である中田永一の『百瀬、こっちを向いて。』は読んでいましたが。 百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫) posted with ヨメレバ 中田 永一 …

『六番目の小夜子』恩田陸

ずば抜けて美しいということは、権力を持つということだった。彼女が自分で何もしなくとも、さまざまなモノが彼女の周りに集まってくるのだ。 2017年(平成29年)、『蜜蜂と遠雷』で、第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞した恩田陸の処女作『六番目…

『ホーンテッド・キャンパス』櫛木理宇

「アネゴ肌で男前な性格」 上記引用は本作『ホーンテッド・キャンパス』に登場するとあるキャラクターの人物描写です。 この一文に拒否反応が出る場合には、読むのを辞めた方が良いでしょう。 ……ちなみに僕は、完全に拒絶してしまいました。 本作は第19回日…

『青の炎』貴志祐介

「考えろ 考えて考え抜けどうすれば一番いいのかを どうすれば家族を守れるのかを」 家族を、その中でも妹を守るために主人公秀一は完全犯罪に手を染めます。 法的手段に訴えても大人たちは手を貸してはくれず、たどり着いた唯一の方法が、殺人。 嵐の二宮和…