その娘の左の目は、魔法の瞳であり、異界への鍵だった。 その娘はただの村娘であったのだけれど、年を経た妖精をその手ですくったことから、左の目に魔法の祝福をうけた。 その瞳は、この世のものならぬものを見ることができ、その存在を知ることができ、そ…
とある県の山間に、時の流れから取り残されたような美しく小さな町がある。緑の木々に取り巻かれ、その枝葉や蔓の作る緑色の波にいまにも吞み込まれてしまいそうな、静かで小さな町だ。風に鳴る葉擦れの音は、いつも潮騒のように、あるいは子守歌のように、…
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