幻想小説
その娘の左の目は、魔法の瞳であり、異界への鍵だった。 その娘はただの村娘であったのだけれど、年を経た妖精をその手ですくったことから、左の目に魔法の祝福をうけた。 その瞳は、この世のものならぬものを見ることができ、その存在を知ることができ、そ…
「おじぃ。あれ、なんかな?」 「あれか。あれは緑人間や」 「ふぅん」 『桜大の不思議の森』は上記のような不思議が日常的に繰り返される黒沼村の日々を描いた本。 黒沼村は神様や不思議がいっぱい、自然いっぱい。 これといって強烈なエピソードがあるわけ…
「ワハハハ……えらい、きみはさすが明智小五郎だよ。よくそこまで考えたねえ。その骨折りにめんじて白状はくじょうしてやろう。いかにもおれは、きみのこわがっている二十面相だよ。」 シリーズ二作目にして遂に『少年探偵団』がタイトルに! 今読んでもちょ…
「モジャモジャみだれた頭髪、するどい目、どちらかといえば青白い引きしまった顔、高い鼻、ひげはなくて、キッと力のこもったくちびる」 え? これって明智小五郎っていうより金田一耕助じゃないですか? なんて思ってしまうのは『金田一少年の事件簿』世代…
「若し我に巨万の富を与えるならば」「若し俺おれが使い切れぬ程の大金を手に入れることが出来たらばなあ。先まず広大な地所を買入れて、それはどこにすればいいだろう。数百数千の人を役えきして、日頃俺の考えている地上の楽園、美の国、夢の国を作り出し…