おすすめ読書・書評・感想・ブックレビューブログ

年間100冊前後の読書を楽しんでいます。推理小説・恋愛小説・歴史小説・ビジネス書・ラノベなんでもあり。

ライトノベル

『とらドラ!』竹宮ゆゆこ

「俺は、竜だ。おまえは、虎だ。――虎と並び立つものは、昔から竜と決まってる。だから俺は、竜になる。お前の傍らに居続ける」 竹宮ゆゆこ『とらドラ!』を読みました。 そろそろkindle Unlimitedの解約を考えていまして……というのも、ちょっとめぼしい本は…

『ほま高登山部ダイアリー』細音啓

「嬉しいな、わたし知らなかったよ。冬嶺くんも登山が好きなんだよね? わたしもなの! ここ受験する前から登山やってみたくて!」 細音啓『ほま高登山部ダイアリー』を読みました。 レーベルはガガガ文庫。久しぶりのライトノベルという事になります。 とは…

『いつか、眠りにつく日』いぬじゅん

「俺の仕事は、死んだ人間を、あっちの世界に連れてゆくことだ。しかし、人間っていうのは厄介で、『死んでもしにきれない』っていう、変な感情や想いをかかえていつヤツが多い」 いぬじゅん『いつか、眠りにつく日』を読みました。 こちらもスターツ出版か…

『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』山口悟

あれ? おかしいなこれ? ハッピーで追放、バッドで死ぬって……カタリナ・クラエスにハッピーなエンドがなくない? バッドオンリーなんですけど!? 今回読んだ本は山口悟著、その名も『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』という長っ…

『ちっぽけな世界の片隅で。』高倉かな

願いが込められた玉は落ち、込められていない玉が残る。そんなふうに、わたしたちの生きる世の中は、うまくいかないことばかりだ。 大切にすべきものが、ないがしろにされる。無法がまかり通り、きれいなものが汚される。 高倉かな『ちっぽけな世界の片隅で…

『春となりを待つきみへ』沖田円

「あの星の裏側でおれの名前を呼んでみてよ。どこに居たって見つけてあげる」 さて、再びライト文芸へと戻り沖田円『春となりを待つきみへ』を読みました。 ここ最近当ブログで取り上げる事の多いスターツ出版文庫の作品。 つい先日『一瞬の永遠を、きみと』…

『15歳、終わらない3分間』八谷紬

『つらくても、笑っていたら、いつかきっとたのしくなるよ』 八谷紬『15歳、終わらない3分間』を読みました。 引き続きスターツ出版文庫からの作品です。 こちらも安定のジャケ&あらすじ買い。 なにせあらすじが秀逸です。 詳しくは下部に設置したAmazonの…

『僕は明日、きみの心を叫ぶ』灰芭まれ

《……クラゲの身体の、九十五%の水が涸れました。――来世は幸せになれますように》 灰芭まれ『僕は明日、きみの心を叫ぶ』を読みました。 一応先に付け足しておくと、灰芭まれの読み方に戸惑う方が少なくないようですが≪芭≫は松尾芭蕉の≪芭≫ですから“はいばま…

『一瞬の永遠を、きみと』沖田円

「今ここで死んだつもりで、少しの間だけおまえの命、おれにくれない? 沖田円『一瞬の永遠を、きみと』を読みました。 一時期の放置具合はなんだったのかと訝しまれるような連日の更新ですが、ライトノベル系は読みやすいのでサクサク進んでしまいますね。 …

『放課後図書室』麻沢奏

「記憶違いだったら悪いんだけど」 「うん」 「俺達、付き合ってた?」 「…………」 麻沢奏『放課後図書室』を読みました。 前回読んだのは新潮文庫nexというレーベルですが、こちらもスターツ出版文庫というライト文芸レーベルからの出版作品です。 スターツ出…

『消えない夏に僕らはいる』水生大海

小学五年生の夏は特別だった。五人はみな、そう思っている。 けれど高校一年生の夏もまた、特別だ。 水生大海『消えない夏に僕らはいる』を読みました。 新潮文庫nexというレーベルから出ている作品。ライトノベル……というよりライト文芸的なレーベルなんで…

『六花の勇者』山形石雄

「よく確かめるのだ! ありえん、六花の勇者が七人いるなど」 皆様明けましておめでとうございます。 あまり季節感のない当ブログですが、2021年最初の更新となります。 今回読んだのは山形石雄『六花の勇者』。 例によってライトノベルですね。 こちらもテ…

『千年戦争アイギス 白の帝国編Ⅲ』むらさきゆきや

「……と、と、友達に……なって……ください」 むらさきゆきや 『千年戦争アイギス 白の帝国編Ⅲ』。 『千年戦争アイギス』のノベライズもついに三作目に入りました。 実はこの『白の帝国編』以外にも本来の主人公である王子を主人公として書かれた『月下の花嫁』…

『千年戦争アイギス 白の帝国編Ⅱ』むらさきゆきや

予測ではありますが……と前置きし、バルツァーが重い声で言う。 「魔神降臨」 俺は思わず玉座から立ち上がっていた。 さて、前回に引き続き、むらさきゆきや『千年戦争アイギス 白の帝国編Ⅱ』のご紹介です。 前回は『白の帝国編』一作目とあってそもそもの「…

『千年戦争アイギス 白の帝国編』むらさきゆきや

「我は、幸福だ」 今回もライトノベルです。 しかも今回からはDMMから提供されているブラウザ・アプリ用タワーディフェンスゲーム『千年戦争アイギス』のノベライズ版。 非常に読む人が限られそうな記事になりそうですが、読書ブログって一発のバズりよりも…

『ミミズクと夜の王』紅玉いづき

「あたしを食べてよ。夜の、王様……」 紅玉いづき『ミミズクと夜の王』を読みました。 第13回電撃小説大賞受賞作。 またまたライトノベルですが、こちらは泣けるラノベとして必ず名前の挙がる異色作となっています。 2007年初版という事で、異世界転生でもな…

『ココロコネクト ヒトランダム』 庵田定夏

「人格としての『わたし』を失って……、【身体】としての『わたし』を失って……、【身体】としての『わたし』を失って……ずっとこんな状態が進めば……誰もわたしをわたしと気づいてくれなくなって……わたしじしにもわからなくなって……そんな……そんな風にして、わ…

『さくら荘のペットな彼女』鴨志田一

「それって、他人に理由を求めてるってことだよな。何か決めるのに、他人が絡んでれば、失敗したときに言い訳できるもんな。仕方ない。しょうがないって。じゃないと辛いよな。負けたときに全部自分のせいってのは。逃げ道がないってのはさ」 鴨志田一『さく…

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』 渡航

誰かの顔色を窺って、ご機嫌をとって、連絡を欠かさず、話を合わせて、それでようやく繋ぎとめられる友情など、そんなものは友情じゃない。 渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を読みました。 通称俺ガイル。 改めて本作がどんな作品かなんて…

『妖精作戦』笹本祐一

「問題はいかに騒ぎを起こさずにあれをかっぱらうか、だ」 笹本祐一『妖精作戦』を読みました。 1984年の発売ながら、現在でも様々なキュレーションサイト等で「絶対に読むべきライトノベル〇選!」的なまとめには時々混ざっている稀有な作品です。 そこに書…

『御城プロジェクト:RE ~CASTLE DEFENSE~』仁科朝丸

城娘。 人間を襲う異形の怪物『兜』に対抗しうる力を持つ、数少ない存在。 底知れぬ大軍と激甚の破壊力を有して押し寄せる兜の軍団を、城娘たちは塞き止め、打ち返し、時に斬り伏せ、時に射落とす。 えーと……コホンコホン。 わざわざブログ記事に書くほどで…

『魔界都市〈新宿〉』菊地秀行

「魔界都市」とは何か? かつて、その名を「新宿」といった。 菊地秀行の『魔界都市〈新宿〉』なんてものを読んでみました。 この後膨大な作品を刊行する事になる菊地秀行の処女作であり、発行は1982年。 発行元である朝日ソノラマ社は今から十年以上前に廃…

『お任せ!数学屋さん』向井湘吾

「将来の夢は、数学で世界を救うことです」 『お任せ!数学屋さん』は第2回ポプラ者小説新人賞受賞作。 完結まで全3作が発行される人気シリーズだったようです。 あらすじ 数学が苦手な中学二年生の遥の前に、転校生・宙がやってくる。 彼の将来の夢というの…

『プシュケの涙』柴村仁

「俺は、トラウマって言葉を免罪符にしようという考え方、好きになれない」 本作『プシュケの涙』の後半第二部の主人公であり、『ハイドラの告白』、『セイジャの式日』と続く一連のシリーズの主要人物、由良彼方の言葉です。 僕的には、この言葉をそっくり…

『涼宮ハルヒの憂鬱』谷川流

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」 僕の知ってるライトノベルって、『ロードス島戦記』とか『スレイヤーズ!』の時代です。 (歳がバレそうですね) 新装版 ロードス島戦記 灰色…

『ホーンテッド・キャンパス』櫛木理宇

「アネゴ肌で男前な性格」 上記引用は本作『ホーンテッド・キャンパス』に登場するとあるキャラクターの人物描写です。 この一文に拒否反応が出る場合には、読むのを辞めた方が良いでしょう。 ……ちなみに僕は、完全に拒絶してしまいました。 本作は第19回日…