おすすめ読書・書評・感想・ブックレビューブログ

年間100冊前後の読書を楽しんでいます。推理小説・恋愛小説・歴史小説・ビジネス書・ラノベなんでもあり。

本屋大賞

『東京タワー オカンとボクと、 時々、オトン』リリー・フランキー

鏡に映った東京タワーを見ながら微笑んでいるオカン。窓から直接それを見ているオトン。そして、そのふたりと、ふたつの東京タワーを一緒に見ているボク。 なぜか、ボクたちは今、ここにいる。バラバラに暮らした三人が、まるで東京タワーに引き寄せられたか…

『天地明察』冲方丁

もしかすると暦とは、一つに、人々が世の権威の所在を知るすべなのかもしれない。 初めての冲方丁作品です。 『天地明察』。 この作品って、個人的にはとんでもないヒット作という印象があります。 受賞した賞だけでもこの通り。 第31回吉川英治文学新人賞 …

『蜜蜂と遠雷』恩田陸

世界はこんなにも音楽で溢れているのに 本作『蜜蜂と遠雷』の主人公の一人、栄伝亜夜の台詞です。実はこの言葉、だいぶ序盤で出てきます。単行本39ページ。栄伝亜夜の登場直後の事です。 読書ノートに書き取るために貼っていた付箋を読後見返して、初めて気…

『羊と鋼の森』宮下奈都

森の匂いがした。秋の、夜に近い時間の森。風が木々を揺らし、ざわざわと葉の鳴る音がする。夜になりかける時間の、森の匂い。 冒頭の一文を読んで、「あっ、これは……」と思いました。 初めて入るレストランに一歩足を踏み入れた瞬間、この店はきっと自分に…