おすすめ読書・書評・感想・ブックレビューブログ

年間100冊前後の読書を楽しんでいます。推理小説・恋愛小説・歴史小説・ビジネス書・ラノベなんでもあり。

『炎の経営者』高杉良

しばしば「私は損をしてでもこの仕事はやります」というふうな表現をする人の話を聞くが、損を続けて事業が成り立つわけのものでなく、現在損をしていても、将来その欠損を補って大きく利潤をもたらす目標があってこそ事業が成り立つことは、いまさら私が言…

『雪月花黙示録』恩田陸

「行くわよ、フランシス」 「ええ、ジュヌヴィエーヴ」 「一回、こういうのやってみたかったのよね」 「月に代わっておしおきよ(二人でハモる)」 のっけから妙な会話を引用してしまいましたが。 映画公開でも話題になった『蜜蜂と遠雷』でお馴染み恩田陸さ…

『一瞬の光』白石一文

白石一文『一瞬の光』を読みました。 通常当ブログの最上部にはその本の特徴的・印象的な一文を引用するという形を取っているのですが、本書に関しては何度も何度も見返して探したのですが、結局どうしても該当しそうなところが見当たらないので省く事にしま…

『ネジ式ザゼツキー』島田荘司

「すっかり全部さ。大きな地震が起こり、ルネスのネジ式のクビがゆるゆると回って、マーカットさんの目の前で、実際にころりと落ちたということになる。そう考えるしかないんだ」 ものすごく久しぶりに島田荘司を読みました。 僕は元々講談社が打ち出した“新…

『ひらいて』綿矢りさ

無駄に生きてるんだ、もう無駄にしか生きられないんだ。 長い長い『新・平家物語』の読書を終えた後、本棚にたくさんある積読本から選んだのは綿矢りさの『ひらいて』でした。 綿矢りさで読んだ事があるのは2001年に当時17歳という最年少タイ記録で第38回文…

『新・平家物語』吉川英治

栄枯盛衰は天地のならい、栄々盛々はあり得ないこと。勝つは負ける日の初め、負けるはやがて勝つ日の初め―― ようやく終わりました。 長らくブログの更新も途絶えていましたが、その原因であった吉川英治『新・平家物語』を読み終える事ができました。 読み始…

『小さな会社の稼ぐ技術』栢野克己

「うちは何でもやってるのに、なぜうまくいかないのか?」 「それは何でもやっているからです(笑)」 だいぶしばらくぶりの更新になってしまいました。 読書を辞めたわけではないんです。 実は以前予告していた通り、吉川英治『新・平家物語』を読んでいる…

『魔法使いの弟子たち』井上夢人

「あたし、自分が、なんで死ななかったんだろうって思うの。あんなにたくさんの人を殺して、どうしてあたしだけ死ななかったんだろう」 しばらく更新が途絶えていましたが、井上夢人『魔法使いの弟子たち』を読みました。 改めて説明する必要もないかもしれ…

『ステップファザー・ステップ』宮部みゆき

「父さんは、会社で自分の秘書をしてた女の人と」 「母さんは、この家を建ててくれた工務店の社長」 それぞれソロで歌ったあと、声をあわせて、 「半年前に出ていっちゃって、それっきりなんです」 今回読んだのは宮部みゆきの初期代表作の一つでもあろう『…

『まどろみ消去』森博嗣

近づいて、フカシとヨーコが手を振ると、西之園萌絵は、両手を顔の横で広げてみせた。人類は十進法を採用しました、というジェスチャではない。 森博嗣『まどろみ消去』です。 以前他の記事で書いたのですが、僕は綾辻行人をはじめとする“新本格ブーム”で推…

『三月の招待状』角田光代

「でも、なんか、あんたもあんんたの友だちも、なんかどっか、体の一部そこから出ていかないようなとこ、あんじゃん。そういうのがおれは全然ないってこと。戻りたくもないし、だいたいガッコいるときから、卒業してえってそればっかだったから」 今回読んだ…

『蛇行する川のほとり』恩田陸

ひとつの寓話を聞かせよう。 今はもうない、あの蛇行する川のほとりでの少女たちの日々。 誰も知らないある物語を、 今、あなただけに。 恩田陸本『蛇行する川のほとり』です。 『蜜蜂と遠雷』が第156回直木三十五賞 及び 第14回本屋大賞に輝いたのも2017年…

『リカーシブル』米澤穂信

だからこの奇妙な町に着いたとき、サトルが何かを思い出したのか、それとも何も思い出さなかったのか、わたしは知らない。 ふぅ。。。 久しぶりの連続更新。 つまり、一日で一気読みしてしまいました。 読んだのは<古典部>シリーズや<小市民>シリーズで…

『もう、きみには頼まない』城山三郎

「万博を生かすも殺すも、あなたたちの筆先三寸だ。頼みますよ」 『もう、きみには頼まない』。 ちょくちょくご紹介している城山三郎本です。 これまでにも ロイヤルホストの創始者・外食王、江頭匡一をモデルとした『外食王の飢え』、第5代国鉄総裁となった…

『影武者徳川家康』隆慶一郎

「ご進撃が早すぎます。いま半刻、桃配山に……」 「それが出来なくなった」 二郎三郎は、あくまで家康として云った。忠勝の顔色が変った。 「南宮山の毛利が……!」 「毛利ではない。わしだ」 二郎三郎は忠勝に近々と顔を寄せた。 「判らぬか。わしが死んだ」 …

『マイナス・ゼロ』広瀬正

「いちばん古いのがH・G・ウェルズの『タイム・マシン』ていう中篇、これはタイム・マシンが出てくるだけのクラシックだけど、ほかに、カッコいいタイム・マシン・パラドックスを扱ったのが、たくさんあるわよ」 SF小説の古典、広瀬正の『マイナス・ゼロ』で…

『壬生義士伝』浅田次郎

「吉村、死ぬな」 本音の一言が喉からすべり出たとき、俺ァやっとわかったんだ。そうさ、やつは俺の、俺たちみんなの良心だったんだ。 『壬生義士伝』を読みました。 常々耳にしてはいたんですよねー。 映画化・漫画化・舞台化と広がりも大きい作品ですし。 …

『チョコレートゲーム』岡嶋二人

「なんでも、みんなジャックのせいだ、とか言っていたらしいです。妹が聞いた言葉ですがね」 「みんなジャックのせいだ……」 岡嶋二人『チョコレートゲーム』を読みました。 岡嶋二人作品を読むのは『クラインの壺』、『99%の誘拐』以来です。 東野圭吾の『…

『天地人』火坂雅志

「あまり、事を急がぬほうがいい。急げば、足元をすくわれることもある。天の時、地の利、人の和、この三つが合わさったとき、はじめて物事は動くものだ」 2009年大河ドラマ『天地人』の原作小説を読みました。 妻夫木聡主演でかなり人気のあった大河ドラマ…

『少女病』田山花袋

こみ合った電車の中の美しい娘、これほどかれに趣味深くうれしく感ぜられるものはない 花袋です。 今回読んだ『少女病』は代表作『蒲団』と並び、田山花袋の“変態”を大いに確立した作品の一つ。 こんなものが青空文庫なら無料で読めちゃうんだからすごいです…

『田舎教師』田山花袋

かれは将来の希望にのみ生きている快活な友だちと、これらの人たちとの間に横たわっている大きな溝を考えてみた。 「まごまごしていれば、自分もこうなってしまうんだ!」 大好きな田山花袋です。 いまいち読書が進まない中でも、スマホのKindleアプリで細々…

『御城プロジェクト:RE ~CASTLE DEFENSE~』仁科朝丸

城娘。 人間を襲う異形の怪物『兜』に対抗しうる力を持つ、数少ない存在。 底知れぬ大軍と激甚の破壊力を有して押し寄せる兜の軍団を、城娘たちは塞き止め、打ち返し、時に斬り伏せ、時に射落とす。 えーと……コホンコホン。 わざわざブログ記事に書くほどで…

『同族経営は、なぜ3代で潰れるのか?』武井一喜

「売り家と唐様で書く三代目」 ……ご無沙汰しています。 最近、めっきり読書から離れがちな日々が続いています。 仕事だったり、仕事に関わる勉強だったり、前回のブログでも挙げたスマホゲームだったり、理由は色々と挙げられるんですが、なんだか本を読んで…

『くちびるに歌を』中田永一

奇跡的に声が合わさり、ほんの短い時間だけその感覚につつまれる。そのとき自分の声が、自分の声ではなくなるような気がした。たしかに自分が口を開けて発声しているのだけど、何かもっと大きな意思によって背中をおされるように歌っているようにおもえる。…

『ぼくらの最終戦争』宗田理

つらいこともありました 楽しいこともありました あっという間に三年過ぎて すてきな仲間になりました 僕の住んでいる地方では、つい先日公立小・中学校の卒業式が行われました。 今年は梅の花が咲くのも早いし、どことなく春めいていて、いつになく卒業ムー…

『恩讐の彼方に』菊池寛

槌を振っていさえすれば、彼の心には何の雑念も起らなかった。人を殺した悔恨も、そこには無かった。極楽に生れようという、欣求ごんぐもなかった。ただそこに、晴々した精進の心があるばかりであった。 再び青空文庫から菊池寛『恩讐の彼方に』を読みました…

『光の帝国』恩田陸

矢田部さん、『常野』という言葉の由来を知ってますか? 権力を持たず、群れず、常に在野の存在であれ。そういう意味だそうです。 恩田陸の常野物語シリーズ一作目『光の帝国』です。 前回のブログにも書きましたが、ようやく『私本太平記』を読み終えたにも…

『私本太平記』吉川英治

ええと。。。 ブログを書くこと自体約一月ぶりなので、なんだか戸惑ってしまいます。 かねてより予告していました『私本太平記』をようやく読み終えました。青空文庫だと帖別となっていて全13帖。文庫版では全8巻だったそうです。加えて、同じく青空文庫に公…

『無銭優雅』山田詠美

「でも、いつか死んじゃうかもって思うと、うっとりする。おまえのこと、すごく大事にしたくなる」 「人を勝手に殺さないでよね」 「うん。ひとりでなんか死なせないよ。どうせ死ぬなら、一緒に死のう」 「ええっ!?」 「……というような気持で、一緒に楽しも…

『恋愛中毒』山本文緒

だが、奇跡だと思っていたのは私の方だけで、夫にしてみればただ平凡な恋愛がひとつはじまって、やがて倦怠期を迎え、そして心が離れただけのことだったのかもしれない。どこにでもある、誰にでもある恋愛と同じように。特別だと思っていたのは自分だけで、…