おすすめ読書・書評・感想・ブックレビューブログ

年間100冊前後の読書を楽しんでいます。推理小説・恋愛小説・歴史小説・ビジネス書・ラノベなんでもあり。

SF

『妖精作戦』笹本祐一

「問題はいかに騒ぎを起こさずにあれをかっぱらうか、だ」 笹本祐一『妖精作戦』を読みました。 1984年の発売ながら、現在でも様々なキュレーションサイト等で「絶対に読むべきライトノベル〇選!」的なまとめには時々混ざっている稀有な作品です。 そこに書…

『黄泉がえり』梶尾真治

「実は、死んだ主人が帰ってきまして。今朝がたですよ。気がついたら帰ってきてて」 っっっっっ!!!!! 思いがけず、二日続けての更新となってしまいました。 どれだけ怠けていたことか。 前置きはさておき、読んだのは梶尾真治『黄泉がえり』。 2003年に…

『七回死んだ男』西澤保彦

おわかりだろうか。つまり同じ日が何度も繰り返されるのである。しかしそれを認識しているのはどうやら僕独りで周囲の誰もそのことに気がついていない。 西澤保彦『七回死んだ男』を読みました。 彼の作品はだいぶ前に『人格転移の殺人』を読んで以来なので…

『君の名残を』浅倉卓弥

――行けども悲しや行きやらぬ君の名残をいかにせん 新年初にして、久しぶりの記事です。 浅倉卓弥『君に名残を』。 映画『君の名は。』以後、一時タイムリープものに嵌まり、筒井康孝の『時をかける少女』や半村良『戦国自衛隊』、古典名作と言われる広瀬正『…

『雪月花黙示録』恩田陸

「行くわよ、フランシス」 「ええ、ジュヌヴィエーヴ」 「一回、こういうのやってみたかったのよね」 「月に代わっておしおきよ(二人でハモる)」 のっけから妙な会話を引用してしまいましたが。 映画公開でも話題になった『蜜蜂と遠雷』でお馴染み恩田陸さ…

『魔法使いの弟子たち』井上夢人

「あたし、自分が、なんで死ななかったんだろうって思うの。あんなにたくさんの人を殺して、どうしてあたしだけ死ななかったんだろう」 しばらく更新が途絶えていましたが、井上夢人『魔法使いの弟子たち』を読みました。 改めて説明する必要もないかもしれ…

『マイナス・ゼロ』広瀬正

「いちばん古いのがH・G・ウェルズの『タイム・マシン』ていう中篇、これはタイム・マシンが出てくるだけのクラシックだけど、ほかに、カッコいいタイム・マシン・パラドックスを扱ったのが、たくさんあるわよ」 SF小説の古典、広瀬正の『マイナス・ゼロ』で…

『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦

風が吹き渡ると、朝露にぬれた草がきらきら光った。キウキウキシキシと学校の床を鳴らすような音が聞こえてきた。広々とした空き地のまんなかにペンギンがたくさんいて、よちよちと歩きまわっているのだった。 『有頂天家族』、『四畳半神話大系』以来の森見…

『魔界都市〈新宿〉』菊地秀行

「魔界都市」とは何か? かつて、その名を「新宿」といった。 菊地秀行の『魔界都市〈新宿〉』なんてものを読んでみました。 この後膨大な作品を刊行する事になる菊地秀行の処女作であり、発行は1982年。 発行元である朝日ソノラマ社は今から十年以上前に廃…

『リライト』北条遥

「なあに、理屈なんてわからなくったっていいさ」 時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫) posted with ヨメレバ 筒井 康隆 角川書店 2006-05-25 Amazon 楽天ブックス なんで唐突に“時かけ”かというと、 〇〇〇〇〇〇版時かけ 時をかける少女オマージュ とい…