「もうすぐ約束の日が来るの。
そしたら、さえは大人になれなくなるんだよ」
「さえは、もう、ユウタ君の知らない、さえになるの」
もう胸がキュンキュンします。
僕は『君の名は。』を劇場で観ました。
その後で小説版も読みました。
『Another side:Earthbound』も読みました。
その後、どうにも『君の名は。』の喪失感から抜け出せず、何か似たような作品がないかと探した末にたどり着いた作品です。
交通事故で父を失った少年が、小6の夏休みに父との思い出の地である山奥のダムを訪れる。
足を滑らせ、タイムスリップした先は30年以上前、ダムに沈む直前の村だった。
そこで同い年のケンゾーと、小3のさえ子に出会う。
ダム建設による立ち退きを前に奮闘する村人たちの中で暮らす内に、さえ子には秘密がある事に気づいて……
さえ子……
ああもう、思い出すだけで切なくなります。
絶対読んだ方が良いです。
特に『君の名は。』で感動した人は読むべきです。
『君の名は。』のオチってハッピーエンドかというと一概にもそうとも言えないよな、みたいなモヤモヤした気持ちが残ってしまいますよね。
加えて主人公が二人ともそれなりの年齢ですし、お互いの身体について意識する描写なんかもありますので、結構肉慾的に感じられたりもします。
その点『虹色ほたる』については登場人物がお互い小学生なのでよりピュアな感じもしますし、エンディングについてももう少しすっきりできると思います。
元々は作者の個人サイトで公開していたという本作。
出版の後、アニメ映像化もされています。
絵に癖があって好みが分かれるところかと思いますが、原作と劇場版では少し差異(特にラスト)もありますので、ぜひ両方楽しんでいただきたいところです。
滅多に薦めないんですけど、これだけは薦めます。
絶対読んでねっ!!!