「自分から人にアプローチするのが得意じゃなくて、
向こうから話しかけてくるのを待つのが性に合っている」
この人物像に「ああ」と共感する事が出来たら間違いないんじゃないでしょうか。
個人的には森絵都と並ぶ「優しくて上手な作家」の代表格、笹生陽子さんの『サンネンイチゴ』。
内向的な性格の中学二年生の森下ナオミが主人公。
理不尽な体育教師に内心では怒っていたりするけれど、行動には移せない。
そんな中でひゅんな事から学校一のトラブルメーカーで金髪のアサミやヅカちんと仲よくなり、マスコット盗難事件や町の衰退の原因など、様々な事件や出来事を成長していく感じの話。
……ってどことなく『楽園のつくりかた』にも似てますね。
でもそういう作風、としか言い様がありません。
中学生ぐらいの年齢を対象に、彼らの成長を優しいタッチで描く話。
森絵都さんの作品が好きな方であればきっと楽しめる事でしょう。